アトピーを治すには~上野新宿池袋皮膚科コラム
アトピーって、どんな疾患?
みなさん、「アトピー」って耳にされたことがありますか。
自分自身が経験したという方や、周りの人がなっていると聞いたことがある方もいらっしゃると思います。
アトピーとは、「かゆみのある湿疹を繰り返す」疾患です。
治療方法としては、基本的には薬の外用(=体の外に塗ること)で治療していきます。
使われる薬としては、以下のようなものが挙げられます。
・ステロイド…炎症を抑え・免疫のはたらきを弱めてアレルギー反応を抑える。
・免疫抑制薬…細胞が持っているはたらきや細胞が増殖するのを抑える。
さて、皮膚科医として
「アトピーがずっと良くならない」
と相談されることはよくあります。
話を聞いていくと、今までに相談があった人の多くに、ある共通点がありました。
それが、「ステロイドを処方通りに塗ってない」という点でした。
副作用を気にするあまりに、塗る回数や量などを自分で減らしてしまっていたんです。
なかなか治らないアトピー
確かに、ステロイドと言えば、副作用があって怖い、というイメージを持っている方も多いと思います。
でも、炎症というのは火事のようなものです。
ステロイドを塗るのは消火活動みたいなものだとイメージしてみましょう。
例えば、強めのステロイドを塗るのは、消火器や消防車の放水で火を抑え込むようなイメージです。
すると、火はすばやく消されていきますね。
ところが、一見火が消えたように見えても、
まだどこかに火種が残っていることがあります。
そのため、完全に火が消えるまでは、
もうしばらく、念のためにバケツなどで水をかけておく必要があります。
ところがそこで、
「もう火が消えたみたいだし、水はいらないかな」
と、消火活動を止めてしまったら、どうでしょうか。
それは、あえて火種を残しておくようなものです。
自然と消えてくれればいいのですが、何かをきっかけに再び燃え上がることもあります。
ステロイドも同じで、
炎症がおさまったように思えても、
皮膚の奥の方では火種が残っていることがあります。
炎症をしっかりと抑えるためには、強めのステロイド→弱めのステロイドに切り替えるなど、使い分けもしながら治療していくことになります。
そこで、かゆみがなくなったからといってステロイドをいきなり止めたり、
ステロイドの副作用を気にして量や頻度を減らしてみたり
といった自己判断をしたら、どうでしょう。
するとやはり、再び炎が燃え上がるのと同じように、症状が悪くなってしまうことがあるのです。
そうすると結果的に治療期間が長引いて、かえって副作用も出やすくなってしまいます。
副作用を気にして、本来の治療が出来なくなってしまうのでは本末転倒ですね。
皮膚科医は、お肌の状態をきちんとチェックし、ステロイドの副作用が出ていないか確認しながらお薬を処方しています。
お薬はしっかり処方通りに使いましょう。
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他にもお肌に関して気になることがあったら、ご相談くださいね。
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